レッドウィング875(アイリッシュセッター)を2012年の冬に新品で買って、気づけば13年履いている。ソールはまだ一度も交換していない。この記事は、そんな13年物の875の実物を並べながら、一番聞かれるサイズ感と、13年でどう育つのかを正直に書くレビューだ。
875のレビューは世の中にたくさんあるが、その多くは買って1〜2年のレポートだ。俺のは13年。しかもチョッパー乗りとして、バイクで履くとどうなのかまで書く。ここまで揃った875の記事はなかなか無いはずだ。

先に結論|サイズ感と13年の答え
長く読む前に、知りたいところだけ先に置いておく。
- サイズ感:俺は8 1/2 D(26.5cm)でぴったり。同じ足でスニーカーはCT70 27.5cm・VANS 28cmだから、スニーカーのジャストから実質1cm下げが正解だった。875は大きめに作られている
- 耐久:13年履いてソール無交換。さすがに交換時期に差し掛かっているが、逆に言えば13年もった。そしてリソールしてまだ履き続けられる
- 経年変化:オレンジがかったブラウン(オロイジナル)が、13年で深みのある色に育った。この変化こそ875を買う理由だと思う
- バイク:フラットなトラクショントレッドソールはペグの座りが良く、チョッパーとの相性は問題なし。スニーカーより足元の安心感が一段上がる
- 注意:俺の個体はタグで2012年9月製造と確認できたオロイジナル。現行875はオロレガシーで色味は近いが同じではない。そこは正直に書いておく
レッドウィング875とはどんなブーツか
875は、レッドウィングの看板「アイリッシュセッター」の6インチ・モックトゥ。元は狩猟用のブーツで、つま先を包み込むモックトゥの縫いと、白いクレープ風のトラクショントレッドソールが特徴だ。ワークブーツでありながら足あたりが柔らかく、アメカジの足元の王道として何十年も君臨し続けている。


この個体は2012年9月製造のオロイジナル
レザーについて、根拠を示して正直に書いておく。俺の875の内側のタグには 「875」「8531887」「09/12」 と印字されている。この09/12が製造年月=2012年9月だ。買ったのはその年の冬なので、製造から間もない新品を掴んだことになる。
ここが効いてくる。875のレザーは2014年から「オロレガシー」に切り替わっている。つまり2012年製造の俺の個体は、その前のオロイジナル——オレンジがかったブラウンのレザーということになる。色味を見ても間違いない。
裏を返せば、この記事の経年写真は「オロイジナルの13年」であって、いま新品で買える875とは革が違う。オロレガシーは色味こそ近いが同じレザーではないので、全く同じ育ち方をすると保証はできない。ただ、形は同じ875(アイリッシュセッター・6インチ・モックトゥ)だし、レッドウィングの革が年月で育つこと自体は変わらない。そこを分かった上で読んでほしい。
サイズ感|スニーカー27.5cmの俺が875は26.5cm
ここが一番役に立つところだと思うので、実測で書く。俺の875は8 1/2 D、日本表記で26.5cm。これでぴったりだ。タグの表記はこうなっている。

- USA 8 1/2/UK 7 1/2/EUR 41.5
- CM 26.5/ウィズ D(標準)
- モデル 875/MADE IN USA・Leather Upper
参考までに、同じ俺の足で他の靴のサイズはこうなっている。
- コンバース CT70:27.5cm(ジャスト)
- VANS オールドスクール:28cm(ボリューム狙いであえてハーフ上げ。ジャストなら27.5cm)
- レッドウィング875:26.5cm(ジャスト)
つまり、スニーカーのジャストサイズから実質1cm下げて正解だったということだ。875は大きめ・幅もゆったりめに作られているので、スニーカーと同じ数字で買うとまず大きい。

ブーツはジャスト、スニーカーは上げる。理由は「馴染むかどうか」
同じ足なのに26.5と27.5〜28に分かれるのは、数字の出方が違うからだけじゃない。買い方の考え方そのものが違う。
ブーツはジャストでいい。革は履き込むほど足の形に馴染んでいくからだ。ソールの中のコルクが体重で沈んで自分の足型になり、アッパーの革も足の当たる場所から広がっていく。買った直後のジャストと、数年後のジャストは別物になる。だから最初からダボつかせる必要がない。
逆にスニーカーは馴染まない。キャンバスやスウェードは革ほど広がらないし、特にウィズ(横幅)は履き込んでも出てこない。だからスニーカーは最初のフィットが全てで、俺は余裕を持たせる方向で買っている。この差が、同じ足で1cm以上の開きになって出てくる。
ネットで875を買うなら、この「1cm下げ」を基準にしつつ、足型には個人差があるので迷ったら試着してほしい。俺のワイズはD(標準)だ。
13年の経年変化|オロイジナルはこう育った
875を買う理由の半分は、この経年変化だと思う。買った当時はもっと明るいオレンジブラウンだったのが、13年でぐっと深みが出て、シワにも色の濃淡が乗ってきた。磨けば艶が返ってくるし、放っておけばマットに枯れる。その日の手入れひとつで表情が変わるのが革のブーツの面白さだ。


中もまだ生きている。履き口やインソールは13年分のヤレはあるが、破れや致命的なへたりは無い。週に何度も履くヘビーローテーションではなかったとはいえ、13年現役でいられるのは、作りの頑丈さそのものだ。

手入れについては、この記事では深掘りしない。俺のブーツとグローブの手入れのやり方は革物メンテナンスの記事にまとめてあるので、育て方はそっちを見てくれ。
ちなみに、俺と同じオロイジナルの875はもう新品では手に入らない。どうしてもこのレザーが欲しいなら中古市場で探すことになる。メルカリ
には年代物の875が結構流れてくる。タグの製造年月(俺の個体なら09/12)を見れば年代も判別できる。ただし中古ブーツは前のオーナーの足に馴染んだ個体だ。875はただでさえ大きめに作られているから、出品ページのソール残量と実寸を必ず確認して、サイズ選びは新品以上に慎重にいってくれ。
ソールの現実|13年無交換、そろそろ交換時期
正直なところも見せる。ソールは13年間、一度も交換していない。そして今、さすがに交換時期に差し掛かっている。トラクショントレッドの山は場所によってだいぶ減ったし、かかとの片減りも進んだ。


ただ、これはネガティブな話じゃない。875はソールを交換して履き続けられるブーツだ。グッドイヤーウェルト製法だから、リソールすれば足に馴染んだアッパーはそのままに、足回りだけ新品に戻せる。「13年でソールが寿命」なんじゃなく、「13年かけて1回目のソールを使い切った」が正しい。スニーカーとの一番の違いはここだ。俺もこの個体はリソールして履き続けるつもりでいる。
バイクで履く875|チョッパー乗りの本音
875はバイクでも普通に使える。トラクショントレッドソールは凹凸が浅くフラットに近いので、ペグの座りが良くて足の置き場が安定する。ソールに厚みがあるぶん、薄いスニーカーほどのダイレクト感はないが、そのぶん長く乗った日の足裏の疲れはやわらぐ。

俺のショベルはジョッキーシフト(足でクラッチ操作)だが、875でも問題なく踏める。オールドスクールのような薄いフラットソールの「半クラが足裏で読める」繊細さには届かないものの、操作に困ることはない。むしろ6インチのハイトでくるぶしまで覆われる安心感は、スニーカーより一段上だ。

雨について。13年履いてきた体感では、VANSのワッフルソールのように濡れた路面でズルッとくる怖さはそこまで感じていない。ただし「滑らないソール」だと断言する気はない。濡れた白線やマンホールが危ないのはどんな靴でも同じだし、雨の日に無敵な靴なんて存在しない。あくまで俺の体感の比較として受け取ってほしい。
保護性能で言えば、革の厚みと6インチハイトでスニーカーより明確に安心感がある。それでも本気の防御力ならエンジニアブーツに分がある。俺の使い分けは「歩く予定もある日・普段の相棒=875、がっつり走る日=エンジニア、気軽な日=スニーカー」という感じだ。

コーデ|ワークパンツとの相性は鉄板
オレンジブラウンの875は、足元に置くだけでコーデに温度が出る。ベイカーパンツやワークパンツの裾との相性は言うまでもなく鉄板で、デニムなら尚更。黒スニーカーが「足元の迷いを消す」装備なら、875は「足元で語る」装備だ。


パンツ側から組みたい人はバイカーのパンツ選びまとめを見てくれ。ワイド気味のワークパンツでブーツインせず裾を被せるのが、俺の定番だ。
こんな人に向く/向かない
向いている人
- 10年単位で育てられる相棒が欲しい人(リソール前提の設計)
- 経年変化を楽しみたい人。色の育ちは875の主役だ
- バイクも普段も1足でこなしたい人(ペグの座り◎・くるぶしの安心感)
- ワーク・アメカジ・チョッパースタイルの足元に王道が欲しい人
向かない人
- スニーカー感覚の軽さ・脱ぎ履きのラクさを求める人(そこはオールドスクールの領分)
- ガチの防御力最優先の人(エンジニアブーツへ)
- 手入れを一切したくない人。革は放置では育たない
レッドウィング875|よくある質問
Q. サイズはどれくらい下げればいい?
A. 俺はスニーカーのジャスト27.5cmに対して875は26.5cm(8 1/2 D)=実質1cm下げでぴったりだった。875は大きめの作りなので、スニーカーと同じ数字で買うとまず大きい。しかもブーツは履き込めば足に馴染むので、最初からジャストで問題ない。足型には個人差があるので、迷ったら試着が確実だ。
Q. 何年くらい持つ?
A. 俺の個体は2012年の冬から13年、ソール無交換で現役だ。さすがに交換時期に差し掛かっているが、リソールすればまだ履き続けられる。使用頻度にもよるが、手入れさえすれば10年単位で付き合える。
Q. 自分の875が何年製か調べられる?
A. 内側のタグを見てほしい。俺の個体にはロット番号の横に「09/12」と印字されていて、これが2012年9月製造を指す。中古で年代物を探すときも、この印字が判断材料になる。
Q. ソール交換のサインは?
A. トラクショントレッドの山が場所によって消えてきたら考え時だと思う。俺の13年物のソール写真を本文に載せているので、自分のブーツと見比べてみてほしい。交換の費用や依頼先は店によって違うので、ここでは断定しない。
Q. バイクで履ける?
A. 使える。フラットに近いソールでペグの座りが良く、6インチハイトの安心感はスニーカー以上だ。ただし操作の繊細さは薄いフラットソールのスニーカーに、防御力はエンジニアブーツに、それぞれ譲る。中間の万能枠と考えると分かりやすい。
Q. 現行の875と昔の875は同じ?
A. 形は同じ875(アイリッシュセッター・6インチ・モックトゥ)だが、レザーが違う。875は2014年からオロレガシーに切り替わっていて、2012年9月製造の俺の個体はその前のオロイジナルだ。色味は近いが同一ではないので、この記事の経年写真は「オロイジナルの13年」として読んでほしい。
まとめ|13年経っても、まだ育てる楽しみが残っている
レッドウィング875を13年履いた本音はこうだ。
- サイズはスニーカーのジャストから実質1cm下げ(俺は27.5cm→26.5cm・8.5D)。ブーツは馴染むからジャストでいい
- 13年ソール無交換でここまで来た。そしてリソールすればまだ続く
- オロイジナルの色の育ちは13年物の説得力。革は裏切らない
- バイクではペグの座りと安心感が武器。スニーカーとブーツの中間の万能枠
- 現行はオロレガシー(2014年〜)。俺の個体と色味は近いが別レザー、そこは正直に

1万円台のスニーカーを数年で買い替えるのも身軽でいいが、5万円級のブーツを13年育てて、ソールを替えてさらに履くという時間の使い方は、チョッパーを直しながら乗り続ける感覚に近い。俺たちみたいな乗り物の楽しみ方をする人間には、多分よく似合う1足だ。
足元繋がりでは、気軽さ最優先のバンズ オールドスクール 3年レビューと、防御力のエンジニアブーツのコーデ記事も書いている。装備全体の話は俺の一軍にまとめた。使い分けの参考にしてくれ。
